読み方によっては陳腐な話かもしれない。
「生に対する復讐」「意味を持たない殺人」「りょくじょくと暴力」
西岡兄妹の作品は、思春期の頃に囚われやすい悪魔を表現するのがとても上手いと思う。
まるで籠の中に囚われた小鳥のように、それを手中に収めている。
あの時のあの感覚、を覚えている人にとっては、懐かしさを感じるかもしれない。
そうでない人々には只不愉快さに顔をしかめるだけかもしれない。
たった今、悪魔に囚われている方には、どう映るだろうか?
あとがきに聖書からの引用がなされている。
マルコの福音書から、レギオンの項がそのまま、なんとなく、納得はしたけれどまだまだ彼らに何の意図があってこの作品を作り上げたのか、理解することはできない。
美しくディフォルメされた作画と、象徴的な残虐さを讃えた物語が頭脳に心地いい一作。
直接的な暴力描写が多いので、ちょっと注意が必要だけれども。
出来るだけたくさんの人に触れてもらいたい作品です。
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