プランツ・ドールとは?
愛情と、ミルクと、砂糖菓子でそだつ少女人形のこと。
とくに愛情は何よりの栄養です。
大事に育てれば、あなたに向けて最高の笑顔と幸福を与えてくれるでしょう。
しかし、ひとつ育て方を間違えたら大変なことに…?
そんなプランツ・ドールをめぐるオムニバス的な構成で展開されるこの漫画。
まぎれもなく傑作です。
愛らしいその姿はまさしく天使!
お人形好き、少女好きに堪らないこのモチーフvvv
そして川原先生の絵の繊細な美しさといったら!!
これを読まない少女好きはモグリです。
私も一体ほしいな。プランツドール。
べらぼうに高いんですけどね;
人は人との関係を築くとき、感情のみで考えることはできません。
好きなのに遠ざかったり、本当は嫌いなのに付き合ったり。
一筋縄ではいかない。
その昔、愛情さえあればよかった筈の、あの頃のようにはいかない。
男女の関係でもそうですね。
諸々の事情が本当のことを隠してしまう。
それに比べてどうだろう。この人形は。
こちらが本当に愛してあげれば、その分だけ返してくれるのだ。その美しい笑顔で。
そしてこちらが愛情をなくしてしまえば、この人形は儚く枯れてしまうのだ。
これ以上自分を癒してくれる存在があろうか。
そんなこわく的な魅力に満ちたこの人形。
それに魅せられた人々、その悲しみ、その滑稽さ。
ええ、なかなか恐ろしい漫画です。この作品。
コメディ調の物や、プランツを通して人間関係を修復させるという話もあるのですが、何よりプランツの魅力を語るのは上記のような本当に魅せられた人々の話ですね。
愛情を理解するとしてもこれはただの人形なのですよ。
造り出された存在にどんどん己をのまれていく人々。
ピグマリオン的魅力v素晴らしい。これこそ人形の醍醐味。
話しかければ言葉でなくしぐさで答えてくれる彼女たち。
言葉をほとんど話せないというのもいいですね。
何者かを愛したいという感情はそのまま愛されたいという感情につながる。
愛の願望をかなえてくれるプランツたち。
傾けた愛情の形によって少しずつ変化していく人形。
そこに映るのは、結局は自分自身なのだと気付いているのか、この人形に魅せられて人々は可笑しくもどこか悲しい。
うっふふふ。いいですねぇ。
なんだか色々書いてしまいましたが純粋に可愛い話が多いので、可愛い物好きや、少女マンガ好きの方は是非。
読んで後悔しませんよー。
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エンターブレインから全三巻で出ています。
バイオロジカルホラーの傑作!(帯より)です。
凄く凄く面白いです!
ホラー好き、虫好き、SF好き、どの方にもお薦め!!
表紙を見てビビっときたら三冊まとめてレジへGOです。
軽くあらすじを述べますと。
とある名門高校に通う、虫好きの女の子が主人公でして、彼女が登校中に妙な虫に首を刺されるところから始まります。
サブタイトルは<受胎>です。
わぁ。もうこれだけでこの漫画の趣旨が見えてきますねえ。
オラわくわくしてきたぞ。
それからこの妙な虫をめぐって学園内で色々な事件が起こります。
事件の真相は生物部のメンバーが調査をしていくうちに分かっていくのですが。
その過程が素晴らしい。私は生物学に全然詳しくないので、専門用語とか分からないのですが、予備知識がなくてもこの作品を楽しむことはできます。
虫、という。私たちよりも明らかに下等と思われる生物が、自分たちを脅かすという恐怖。
しかしこの恐怖こそが人類の奢りなのではないのかと、思わせる彼らの生き様。その生きることの純粋さ。
生命の神秘にあふれた傑作です。
そこにあるのはあらゆる生物に対する愛情。憐憫。そして希望です。
人類は進化の過程であらゆるものを犠牲にしてきました。ええ、この物語も始まりはまさしくそこなのです。
進化するという罪深さ。しかし、この物語のラストはその進化にささやかな希望を託しています。
環境に適応しようとする、必死に生きようとするそのひたむきさが、結果、環境そのものを救うのだという。
本当にすばらしい作品です。
今なんだかエコブームですね。
エコと聞いたらエコエコアザラクな私はこのブームに全然のれてません。
というか、この地球そのものはここに生物なんかいなくったって別にかまいやしないんだ。って思うし。
この宇宙に生き物なんて本当は必要無い。と思う。
だから別に、たとえ地球上から人類以外の生命が絶滅し、人間だけがこの地球に残ったとしても本当は構わないのかもしれないと思う。
でも、きっと、そうなったら。人間は、人というその個体そのものがどんなに沢山増えてもきっと大変な孤独を抱えて生きていく運命になると思う。
環境を大事にしたい。人類以外の生物の絶滅を食い止めたいと思うのは。
人間が生き物として彼らに対する愛情なのだと思いたい。
そんな途方もないことをつらつらと考えてしまいました。
虫が大丈夫な人は是非この漫画を読んでみてください。
貴方は水木しげるをご存知ですか?
国民的人気アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の作者にして妖怪博士でもあるかの偉大なる水木先生について少し語りたいと思います。
私は漫画家の中で水木先生を一番尊敬しています。もう、水木作品なくしては生きていけないくらい好きです。
かつての私もそうでしたが水木しげるといえば『鬼太郎』しか思い浮かばない方の方が多いのではないでしょうか?
しかしそれは大変もったいないことです!
水木先生は鬼太郎のほかにも『悪魔くん』『河童の三平』という名作を生みだし、戦記漫画や伝記、エッセイなども大変面白いものを描かれる天才漫画家なのです!
さてさて、そんな水木先生は物凄くたくさんの作品を描かれているので、追いかけるのが大変なのですが、その中で始めて水木作品に触れる方に良いだろうと思われるものをピックアップしようと思います。
アニメ鬼太郎大好き!!という方は…
『ゲゲゲの鬼太郎 少年マガジン/オリジナル版』 全5巻 講談社文庫
がお薦めですね。メジャー鬼太郎の第一作目です。こちらをゲットしたら
『ゲゲゲの鬼太郎』 全9巻 中公文庫
を読めば鬼太郎シリーズはほぼ読めます。これに
『鬼太郎国盗り物語』 全3巻 角川文庫
を加えれば完璧です。鬼太郎シリーズの大体の輪郭が分かることでしょう。
とりあえずアニメに親しんだ方はこの三つ(といっても全部で17冊ありますが)を読まれてから他の水木作品に手を伸ばすのが良いのではないかと。
妖怪大好き!怪獣大好き!図鑑とかついつい見いっちゃう。と、いう方は…
『水木しげるの妖怪大百科』『水木しげるの世界の妖怪大百科』『水木しげるの妖怪百物語』 小学館 新装版版
子供向けに書かれた妖怪百科シリーズです。さらに極めたい方は
『図解 日本妖怪大全』『図解 日本妖怪大鑑』 講談社プラスα文庫
をお薦めします。
水木先生の素晴らしい絵はもちろん先生の分かりやすい解説文も秀逸です。
これにさらに
『畏悦録』 角川文庫
を加えれば水木先生の魅力を存分に味わえるでしょう。
妖怪もいいけど悪魔も好き。西洋妖怪っていいよね。アニメ『悪魔くん』は名作だ!という方…
『悪魔くん』 『悪魔くん千年王国』 ちくま文庫
もしくは、『悪魔くん』 (KCデラックス) 講談社
ですね。KCデラックスは上のちくま文庫の作品二つの抱き合わせです。できれば無印悪魔くんと千年王国はセットで読んでください。そしてビックリしてくださいv
ふたつの作品の主人公は厳密には違うのですが、設定は同じです。アニメ悪魔くんをご存知の方は分かりますでしょう。
ちなみに無印のほうは特撮の悪魔くん“山田真吾。”千年王国は完全水木オリジナル“松下一郎”です。アニメにもなった“埋もれ木真吾”の漫画はコミックボンボンで『最新版悪魔くん』として出たのですが只今絶版中…。
復刊したらここに加えようと思います。
『ゲゲゲの鬼太郎』③~鬼太郎のお化け旅行~ 中公文庫
西洋妖怪好きにはこちら。この本では鬼太郎が世界中を旅するという内容になっておりアニメ鬼太郎に出てくる西洋妖怪たちも多数活躍しています。
『ゲゲゲの鬼太郎死神大戦記』 上下巻 角川文庫
注意していただきたいのは構成自体は水木先生の手によらないということです。つまりは水木っぽくない。
しかし悪魔がたくさん出てきますし、アングラな雰囲気も醸し出していますし、悪魔ものが好きな方にはなかなか良いのではないかと。
しかしながら上記の作品との併読をお勧めしたいです。
戦記ものが好き。伝記好き。読書好き。な方には…
『劇画 ヒットラー』 ちくま文庫
ですね。実は私が水木先生の魅力に気づいたのはこの作品からだったりして。この本は普段漫画を読まない方にもお薦めです。名作!
『ああ玉砕-水木しげる戦記選集』『鬼軍曹-水木しげる戦記選集』(戦争と平和を考えるコミックス) 宙出版
水木しげる戦記選集シリーズはどれもこれもお薦めなのですがとりあえずこの2作を。
戦争物の映画に飽いてきたらこれを読むといいでしょう。
この作品たちの良いところは戦争の悲惨さだけでなく、人生への教訓や人間の本質を探るような哲学的な描写の細やかさにもあります。素晴らしいです。
『神秘家列伝』全4巻 角川文庫ソフィア
比較的最近の作品。水木テイストに彩られながら神秘家たちそのものの面白さは失われていません。現実は漫画よりも奇なり?おなじみの水木キャラがちまちまと出てくるもの楽しいです。
これらをクリアしたらぜひ、『コミック昭和史』 全8巻 講談社文庫 を。水木伝記漫画の集大成ともいえる大作です。水木先生の伝記物の特徴をあげるなら、その淡々とした、それでいてどこかとぼけた語り口調と、そこから一歩引いているような傍観者の目、歴史を“観察”しているかのようなその雰囲気は森鴎外に似た所があると思います。
森鴎外の「阿部一族」「高瀬舟」「渋江抽斎」などが好きだという方は水木先生の伝記漫画も面白いと感じるのではないでしょうか?
マニアックな漫画が好き。深夜アニメ『墓場鬼太郎』最高!という方…
『墓場鬼太郎』 全6巻 角川文庫
深夜アニメ墓場鬼太郎の原作です。ここで注意。いま日曜朝に放送されている鬼太郎が好きな方は心の準備をvこの鬼太郎はダークです。上記で挙げた中公文庫版の鬼太郎をすべて読まれた方は安心して読むことができるでしょう。もちろん、深夜アニメ墓場鬼太郎にほれ込んだ方は堪らない魅力のある作品ですが。
ちょっとオトナな鬼太郎を、是非。
『墓を掘る男、手袋の怪』『不死鳥を飼う男、猫又』-水木しげる怪奇貸本名作選
『人魂を飼う男』『墓の町』-水木しげる妖奇貸本・短編名作選
ホーム社
水木しげる先生貸本時代の名作を集めた短編集です。
ダークさが何ともいえず癖になります。ふふふ。私のお気に入りは「墓を掘る男」です。あのラストは漫画史上に残る名シーンですね。
『河童の三平』 ちくま文庫
上の作品たちに比べればだいぶライトな作品です。昔、特撮でテレビで放送されたそうですが内容は全然違います。ダークさというより哀愁ですね。虚しさ、儚さ、そして懐かしさを感じさせる水木作品の中でも特に繊細な作品ではないかと。下ネタ満載で笑えるんですけどね。それでもどことなく無くしてしまった何か、過ぎ去ってしまった何かに思いをはせずにいられない気分になります。
ラストは胸にジンと来ます。激しい感動でなく、優しく心に響く抒情歌のような作品です。
貸本時代、もしくは初期水木作品は、たとえばつげ義春先生や杉浦日向子先生の作品のような雰囲気があり、これらの作品が好きな方には飲み込みやすいのではないかと。それから最近の方だと福満しげゆき先生とか。小説では西洋の怪奇もの(ポーやコクトォ)が好きな方には良さそうな。コクトォにいたっては『墓を掘る男、手袋の怪』の中で「髪」という名前で漫画化していますし。人物も出てきます。(ただし私がポオとコクトォを読んだことがないので定かではない、すいません)特に貸本時代の作品には「禁じられた遊び」や「雨月物語」のような昔の映画が持っていた雰囲気のある作品が多いのが少し意外でした。実に上質な大人な漫画です。
こんなところでしょうか。これを読んで少しでも水木作品に触れる方が増えてくれることを祈っています
国民的人気アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の作者にして妖怪博士でもあるかの偉大なる水木先生について少し語りたいと思います。
私は漫画家の中で水木先生を一番尊敬しています。もう、水木作品なくしては生きていけないくらい好きです。
かつての私もそうでしたが水木しげるといえば『鬼太郎』しか思い浮かばない方の方が多いのではないでしょうか?
しかしそれは大変もったいないことです!
水木先生は鬼太郎のほかにも『悪魔くん』『河童の三平』という名作を生みだし、戦記漫画や伝記、エッセイなども大変面白いものを描かれる天才漫画家なのです!
さてさて、そんな水木先生は物凄くたくさんの作品を描かれているので、追いかけるのが大変なのですが、その中で始めて水木作品に触れる方に良いだろうと思われるものをピックアップしようと思います。
アニメ鬼太郎大好き!!という方は…
『ゲゲゲの鬼太郎 少年マガジン/オリジナル版』 全5巻 講談社文庫
がお薦めですね。メジャー鬼太郎の第一作目です。こちらをゲットしたら
『ゲゲゲの鬼太郎』 全9巻 中公文庫
を読めば鬼太郎シリーズはほぼ読めます。これに
『鬼太郎国盗り物語』 全3巻 角川文庫
を加えれば完璧です。鬼太郎シリーズの大体の輪郭が分かることでしょう。
とりあえずアニメに親しんだ方はこの三つ(といっても全部で17冊ありますが)を読まれてから他の水木作品に手を伸ばすのが良いのではないかと。
妖怪大好き!怪獣大好き!図鑑とかついつい見いっちゃう。と、いう方は…
『水木しげるの妖怪大百科』『水木しげるの世界の妖怪大百科』『水木しげるの妖怪百物語』 小学館 新装版版
子供向けに書かれた妖怪百科シリーズです。さらに極めたい方は
『図解 日本妖怪大全』『図解 日本妖怪大鑑』 講談社プラスα文庫
をお薦めします。
水木先生の素晴らしい絵はもちろん先生の分かりやすい解説文も秀逸です。
これにさらに
『畏悦録』 角川文庫
を加えれば水木先生の魅力を存分に味わえるでしょう。
妖怪もいいけど悪魔も好き。西洋妖怪っていいよね。アニメ『悪魔くん』は名作だ!という方…
『悪魔くん』 『悪魔くん千年王国』 ちくま文庫
もしくは、『悪魔くん』 (KCデラックス) 講談社
ですね。KCデラックスは上のちくま文庫の作品二つの抱き合わせです。できれば無印悪魔くんと千年王国はセットで読んでください。そしてビックリしてくださいv
ふたつの作品の主人公は厳密には違うのですが、設定は同じです。アニメ悪魔くんをご存知の方は分かりますでしょう。
ちなみに無印のほうは特撮の悪魔くん“山田真吾。”千年王国は完全水木オリジナル“松下一郎”です。アニメにもなった“埋もれ木真吾”の漫画はコミックボンボンで『最新版悪魔くん』として出たのですが只今絶版中…。
復刊したらここに加えようと思います。
『ゲゲゲの鬼太郎』③~鬼太郎のお化け旅行~ 中公文庫
西洋妖怪好きにはこちら。この本では鬼太郎が世界中を旅するという内容になっておりアニメ鬼太郎に出てくる西洋妖怪たちも多数活躍しています。
『ゲゲゲの鬼太郎死神大戦記』 上下巻 角川文庫
注意していただきたいのは構成自体は水木先生の手によらないということです。つまりは水木っぽくない。
しかし悪魔がたくさん出てきますし、アングラな雰囲気も醸し出していますし、悪魔ものが好きな方にはなかなか良いのではないかと。
しかしながら上記の作品との併読をお勧めしたいです。
戦記ものが好き。伝記好き。読書好き。な方には…
『劇画 ヒットラー』 ちくま文庫
ですね。実は私が水木先生の魅力に気づいたのはこの作品からだったりして。この本は普段漫画を読まない方にもお薦めです。名作!
『ああ玉砕-水木しげる戦記選集』『鬼軍曹-水木しげる戦記選集』(戦争と平和を考えるコミックス) 宙出版
水木しげる戦記選集シリーズはどれもこれもお薦めなのですがとりあえずこの2作を。
戦争物の映画に飽いてきたらこれを読むといいでしょう。
この作品たちの良いところは戦争の悲惨さだけでなく、人生への教訓や人間の本質を探るような哲学的な描写の細やかさにもあります。素晴らしいです。
『神秘家列伝』全4巻 角川文庫ソフィア
比較的最近の作品。水木テイストに彩られながら神秘家たちそのものの面白さは失われていません。現実は漫画よりも奇なり?おなじみの水木キャラがちまちまと出てくるもの楽しいです。
これらをクリアしたらぜひ、『コミック昭和史』 全8巻 講談社文庫 を。水木伝記漫画の集大成ともいえる大作です。水木先生の伝記物の特徴をあげるなら、その淡々とした、それでいてどこかとぼけた語り口調と、そこから一歩引いているような傍観者の目、歴史を“観察”しているかのようなその雰囲気は森鴎外に似た所があると思います。
森鴎外の「阿部一族」「高瀬舟」「渋江抽斎」などが好きだという方は水木先生の伝記漫画も面白いと感じるのではないでしょうか?
マニアックな漫画が好き。深夜アニメ『墓場鬼太郎』最高!という方…
『墓場鬼太郎』 全6巻 角川文庫
深夜アニメ墓場鬼太郎の原作です。ここで注意。いま日曜朝に放送されている鬼太郎が好きな方は心の準備をvこの鬼太郎はダークです。上記で挙げた中公文庫版の鬼太郎をすべて読まれた方は安心して読むことができるでしょう。もちろん、深夜アニメ墓場鬼太郎にほれ込んだ方は堪らない魅力のある作品ですが。
ちょっとオトナな鬼太郎を、是非。
『墓を掘る男、手袋の怪』『不死鳥を飼う男、猫又』-水木しげる怪奇貸本名作選
『人魂を飼う男』『墓の町』-水木しげる妖奇貸本・短編名作選
ホーム社
水木しげる先生貸本時代の名作を集めた短編集です。
ダークさが何ともいえず癖になります。ふふふ。私のお気に入りは「墓を掘る男」です。あのラストは漫画史上に残る名シーンですね。
『河童の三平』 ちくま文庫
上の作品たちに比べればだいぶライトな作品です。昔、特撮でテレビで放送されたそうですが内容は全然違います。ダークさというより哀愁ですね。虚しさ、儚さ、そして懐かしさを感じさせる水木作品の中でも特に繊細な作品ではないかと。下ネタ満載で笑えるんですけどね。それでもどことなく無くしてしまった何か、過ぎ去ってしまった何かに思いをはせずにいられない気分になります。
ラストは胸にジンと来ます。激しい感動でなく、優しく心に響く抒情歌のような作品です。
貸本時代、もしくは初期水木作品は、たとえばつげ義春先生や杉浦日向子先生の作品のような雰囲気があり、これらの作品が好きな方には飲み込みやすいのではないかと。それから最近の方だと福満しげゆき先生とか。小説では西洋の怪奇もの(ポーやコクトォ)が好きな方には良さそうな。コクトォにいたっては『墓を掘る男、手袋の怪』の中で「髪」という名前で漫画化していますし。人物も出てきます。(ただし私がポオとコクトォを読んだことがないので定かではない、すいません)特に貸本時代の作品には「禁じられた遊び」や「雨月物語」のような昔の映画が持っていた雰囲気のある作品が多いのが少し意外でした。実に上質な大人な漫画です。
こんなところでしょうか。これを読んで少しでも水木作品に触れる方が増えてくれることを祈っています