三原ミツカズ先生のコメディは面白い。
特に家族ものが面白い。
今回は先生の漫画の中でもお気に入りの二作品を紹介したいと思いますv
『ハッピーファミリー』
ワイドで全4巻(エクストラを四巻として)、文庫版で上下巻。さらに、うずし夫の親友岡内のケーキ屋が舞台となったカトゥ・カールがあります。
この記事ではとりあえず、日比野家のお話が載っているエクストラまで。
日比野なるとは小学六年生。
小生意気にピアスホール開けて、タバコ吸って、パンクルックでキめている。
そんでもって、母親のまゆらのことを心の底から愛してる。
ひとりの女として。
本編はなるとくんが母親のまゆらを独占するため、父親のうずし夫に不毛な戦いを挑む…、って感じかな。
んでもってこの父親のうずし夫がとてもカッコいいパンク野郎なんだ。
小学生じゃかなわないよ…。なるとくん。
でもまあ。なるとくんも小学生とは思えないほどの色男(笑)なんだが。
実際こんな小学生居るわけがない!カッコよすぎる!!そしてかわゆすぎるvv
個人的にはほのぼのとした小学生編がすきです。
中学生に上がってから、なるとくんったらちょっぴり大人しくなっちゃったし。
後半の中学編は、まゆら・うずし夫のきずなの深さ、それからママに恋するなるとくんの苦悩がしっかり描かれてて、ちょっぴりおセンチになっちゃいます;;
や。でもこんな両親だったら毎日楽しそうだよなあ。
なるとくんが羨ましいぜ。
最後はエクストラ。まゆらとうずし夫の慣れ染め編。
なるとはお母さん似だとおもってたけど、叔父さん似…。てか、お祖母さん(うずし夫の母)似?
うずし夫って、なるとが生まれてから随分大人しくなったんだなと思いました…。
若い頃のうずし夫はやんちゃすぎですv友達に欲しくないvv
内容はとてもシリアスなんですがね。
結婚について、家族について、真剣に語られております。
まゆらちゃんがとてもカッコいいんだ…。
巻末の作者さんエッセイもとても面白いです。
ビジュアル的にはゴスっぽいですが、中身は普通の家族漫画ですので。
普段ゴスっぽい漫画読まない方も是非読んでみてください。
『HAUNTED HOUSH』
題名そのままですvv
帯賀サバトは普通の高校生。
でも、家族はそろいもそろってホラー大好き、暗黒大好き、不吉なもの大好きなおかしな家族。
おかげで彼女が出来ても、家に連れてくるたびに振られてしまう…。
毎日家族からの陰湿ないじめに耐えつつ、彼は「こんな家何時か絶対出て行ってやる」と、自立を目指して日々奮闘するのであった。
と。書いてしまうとさもサバトくんがかわいそうに思えてきますが。
あーんまり、サバトくんかわいそうじゃない。。
だってサバトくんってイケ面で、女の子にだってモテモテで、結構器用で要領も良いちょっとムカつくやつなんですよ。(小夜吉は人間が歪んでいます)
きっと帯賀家に生を受けていなかったらさぞや厭味な奴になっていたであろう…。
これも神の…いや、サタンの思し召し。
家族のみんなは心からサバトくんが大好きなんです。
いじめは愛情のしるし。みんなして色々な方法でサバトくんに嫌がらせします。そして、陰ながら応援したりもします。
その姿がとても微笑ましい!家族っていいね!!
読了後とてもいい気分に浸れますよ。
三原ミツカズ先生といえば、ゴスバの美麗表紙でお目にかかることが多いため。ゴスロリなイメージが強いですが。
作品内容は普通の漫画…。かな?
ビジュアルとしてはやっぱりゴス・ロリ要素満載なんですが。
そのテーマはあくまで別にあるのですね。
なので、ちょっとゴス系の漫画は苦手だという方も読めちゃうんじゃないかな。と思います。
普通のサラリーマンやOLなんかに特に読んでもらいたいなぁ。なんとなく。
少女漫画は数あれど。
ここまで色々な形で“少女”を楽しませてくれる短編集はそうないでしょう。
今回は作品ごとに簡単なレビューおば。
『たあたあたあと遠くで銃の鳴く音がする』
絵本のような雰囲気の、昭和レトロな色彩が可愛らしい作品。
銃に包帯を巻いてあげる所とか、キュンとしますよ。
『花』
中原純一っぽい?
お母さんと女の子と、お母さんのお母さんと。
『はい-背筋を伸してワタクシノバンデス』
タイトルそのままなのですが。
女の子で、女であることが不快な子って、結構いるのね。
でも何時かは、生み育てるものとして。
『絶対安全剃刀』
メメモントリ!
登場人物が男の子ってところが、イノセントな雰囲気をさらに鋭利に、清らかにしています。
これが女の子だったらもっと湿っぽくなってたと思う。
是非是非。この一遍だけでも一読を!!
『1+1+1=0』
家族のお話を、かわゆく描いてます。
ちょっとした夢物語風に。
こういうお話に男の子を持ってくるのがミソですね。いい感じ。
長野まゆみの初期作品にみられる。あの雰囲気の好きな方はこの男の子好きかも。
『おすわりあそべ』
「でも私は強い嘘つきになりたいんだ」の一言しかない。
つっぱってる女の子の話。凄く好き。
『ふとん』
お葬式の話なのだけど。
すっごいよ。表現の仕方が。もう。
舞台のようであり、映画のようであり…。
『方南町経由新宿駅西口京王百貨店前行』
『おすわりあそべ』を描いた方がこれも描いたのか…。と思うと改めて高野先生は凄いなぁと。
一般的な女子ってこんな感じ??
『田辺のつる』
女の子はいくつになっても女の子なのです。
ちょっと怖い。
『アネサとオジ』
意地悪なおねえちゃんと健気な弟の話。
おねえちゃんここまでくると人外っぽい…。
ほのぼのします。
『あぜみちロードにセクシーねえちゃん』
松任谷由美!!って感じ??
青春モノです。
『うらがえしの黒い猫』
魔術と少女と夜の夢。
ちょっとダークな雰囲気が堪りませんvv
だいぶお気に入りな作品のひとつ。
『午前10:00の家鴨』
この本の中ではちょっと大人な女の子のお話。
ふわんとしてます。でもちょっと毒も??
恋愛のお話なので小夜吉にはよく分からないのですよ…。。
『早道節用守』
山東京博原作らしいです。詳しくは知りません。
雰囲気的には一番始めの『銃の鳴く』に似ている感じ?
でも和風。江戸時代のお話。落語??
『いこいの宿』
アネサとオジふたたび。
前よりももっとギャグはいってて、笑えて癒される。
アネサかわいい。
『うしろあたま』
ヒンシュクかうのが分かっててもあえて言う。
ツ・ン・デ・レ………!
この気持ち分かる女子って結構いると思うぞ!!
男子も一応読んでおけ!後学のために。。
『玄関』
ひと夏のワンシーン。
いきなり雰囲気が変わります。
主題が内面から少しだけ外側へ行っているような。
ラストでちょっぴり、少女は大人になるのですね。
淡々としたリズム感のある、心地よい作品の多い高野文子先生。
先生の作品にご興味のある方は是非この一冊から。
きっとお気に入りの“少女”が見つかるはず!!
全五巻編成。
普段文豪や伝記漫画に興味のない方もこれは是非読んでもらいたい。
ここに描かれていることは、すなわち現代に確実につながっていることなのだと。
読了後、しばらく感慨に耽ってしまいました。
なんてね。
興味のある方は是非、五巻すべて通読されることをお薦めいたしますが。
漫画にしてはネーム(文字)が多くおまけに文章が硬いため、始めは苦戦するかもしれません;
しかしそれを乗り越えてでも得るべきことがこの漫画には描かれています。
激動の時代に現れた新しい価値観、思想、体制に翻弄されつつ、それでも旧時代の呪縛から逃れることができない人々の葛藤、焦燥感、未来への希望と不安。
その表出の仕方は人それぞれで、小説を書くもの。歌を読む者。活動する者。
彼らは実際に交流したり、あるいは垣間見たり、すれ違ったりしながら明治をつくり上げていく。
彼らを見守っているうちに明治という時代が私たちの前に浮かび上がってくる。
そしてそこに映し出されてくるのは私たち自身だったりします。
平成というこの時代に生きる私たちと同じ人間たちがそこにいるのです。
第一部『坊ちゃん』の時代。第二部秋の舞姫。はそれぞれ明治を代表する文豪、夏目漱石と森鴎外が主人公です。
私はこのお二方はそれぞれ、西洋思想と日本独自の和の思想(私の勉強不足でこの部分の明確な表現が出来ないことがとても悔しい)の間で揺れ動き続けた人だと思っています。
個人主義と則天去私の夏目漱石。
エリスを追い返しておきながら、結局自分で選んだ女性と結婚した森鴎外。
どちらにも傾倒することのできない堅実さというか。
私にはちょっと難しすぎて理解できてないのですが;;
まずこの二巻で提示されるゆらめき。
次に、三部かの蒼空にの石川啄木。
彼は明治のゆらめきの間の深みにはまってしまった。
そんな、印象を受ける巻でした。
啄木は真面目で聡明な人だと思います。そして、とても自尊心が高い。でも、現実をしっかり見据える堅実さがあった。
私はとくに啄木に対しては胸の詰まる思いをしてしまうのですが。
ある一種の特性をもった人々にとって、この啄木の生き様を見つめることは、なんとも言えないもの悲しさがあります。
彼は厳密には明治人と言えないのかもしれませんが、ゆらめく明治を見つめる者として、彼抜きにはお話が進まないように思います。
私の思い込みかもしれませんが。
しかし、彼の眼がなければ第四部明治流星雨がとても味気ないものになると思うのです。
明治流星雨は、テロリストのお話です。
主人公格の人物は二人、幸徳秋水と管野菅子。
しかし前の三巻と違いこれは大逆事件というものと、それを引き起こした、というより、引き起こさせたというか。
うーん。演出したというか。何とも言いにくいのですが。
人ではない。
大きな流れの、それこそ人一人ではどうしようもない時代というものを。
考えさせられた一冊です。
ここで、漱石。鴎外。啄木が傍観者として出てきます。
私たちは彼らを通してこの運動を見守ります。
私は、なんだかとても悲しくなってしまいました。
この悲しみは、彼らへの憐憫や同情でなく、もうありとあらゆるものへ対しての悲しみです。
個人ってなんだろう。権利ってなんだろう。政治って何なんだろうと改めて思ってしまう。
このなかで一体自分は何になってしまうのかといったら、きっと私は啄木なんだろうなあと思うのだけど。
果たして。
このお話は第五部、不機嫌亭漱石に少し受け継がれます。
最終巻は漱石の死です。
そして、坊ちゃんの時代の総決算でもあります。
エリスと思われる人と森鴎外の会話。
蒼空を悠々と飛ぶ飛行機を見て、最後の詩を詠む啄木。
そして、大逆事件の中心人物たちの処刑。
明治は混沌とした時代でした。
そしてこの国が日本として一度生まれ変わった、生まれ変わろうとした時代でした。
人は確かに変わります。国に生きる者は必ず死にます。そして、毎年新しい国民が生まれています。
しかし、人というものはそれだけではない生き物です。
伝統・文化・思想。これらを愛する生き物です。
私たちが例えば昭和に慕情を感ずるように、彼らも前時代に想いを馳せることがないとは言えないでしょう。
この国は幸福にも時代が地続きになっています。
私たちは私たちを語るのに歴史と国を語らずにはいられない。
それらは人によっては愛すべき、人によっては憎むべきもの。
少し靖国をめぐる問題を思い出しました。
それまでの時代と今の狭間で揺れ動く明治人たちと、現代の私たちはとてもよく似ていると思います。
あまり上手く言えませんが。
夏目金之助という人はあの時代に亡くなってしまった。
けれど、現代にも漱石という人はいるように思う。
現代にも、鴎外が居て、啄木が居て、秋水、菅子が居る。
そう思えてならないのです。
今回は作品ではなく作者さん括りで。
『Papa told me』は先生の代表作でだいぶ巻数が出ています。
『今年はじめての雪の日』は短編集。
papa~は始めて読まれる方は特選集で文庫四冊出ているのでそちらから入るといいでしょう。
しかしこの文庫版だと始めて出たキャラが随分と仲良さ気に出てくるのでちょっと妙な感じが;
まあ。どれも大体一話完結なのでだいたい読めてしまうのですが。
榛野なな恵先生の作品の特徴はその柔らかな絵と美しい文章です。
漫画家でここまで美文を連ねることのできる方はそうそういないのではないでしょうか。
例えば『今年はじめての雪の日』の冒頭に
“優しい言葉なんて 信じないけれど
優しい日差しなら 信じられる
一秒後に 曇ってしまうかも しれないけれど”
と、あるのがとても印象的で、素晴らしいです。
そのコマに描かれた青年の憂鬱そうな顔もとても美しい。
そして漫画の雰囲気もとても綺麗で読んでいてとても気分が良いです。
内容が少し暗いんですがね、でもそれは、雪の降る前の雲のどんより感だったり、霧深い夜のような、そんなやはり美しい暗さなのです。
美しい憂鬱。そうですね、英国っぽいです。とても。
実際作者さんも英国が好きみたいですけど。
なので結局ハッピーエンド、もしくは救いのある終わりだったりします。
絶望は無い。凄く、絶望に近い雰囲気を持っているのにけして絶望はしない。
ある意味安心して読める作品です。
この方はどこかの大学の哲学科を卒業されたそうです。
なので作品もどこか哲学的、なのですが。
悩んで悩んだ先がそこ?って、なります。
ある意味日常への回帰なのか…。ううーん。
さっきも書きましたが絶望の雰囲気はあるのに絶望はしないんです。
最後には肯定してしまう。
私には理解しがたい時があります。その思考の果てが結局それかい。
自分は哲学の素養なんて微塵もないのでこんなこと言うのはちょっとアレなんですがね。
それで、希望を持てるのか。それでいいのか。とこっちは余計悩んでしまう。
あ、因みに避難しているわけではありません。
漫画という読み物としてはとても良いです。
暗くなりすぎないし、健全だし。
私も好きなんですが、たぶん考え方が違うのでしょうね、その所為で違和感が生まれる。
表題になっている『今年はじめての雪の日』も出てくる男の子も大好きですし。
個人的に好きな『水晶時計』も読了後元気をもらいました。
たぶん、私は絶望が好きなので、最終的にどうにかして希望を見つけようとする彼らにどうしても賛同できないのでしょう。
ひねくれ者ですね。
『papa~』はああもうほんと、幼いころの憧れがそこにある!って感じです。
もう、可愛くて可愛くて、それからお父さんがかっこよくて。
いいなあ。
この作品に収められている話は、自己肯定の連続です。そんな感じ。
主人公が小学生の女の子なので、その所為かとても明るいし、余り鬱鬱していないし。
癒し漫画です。ほっとしたい時に読みます。
主人公の女の子はお母さんが居なくて、お父さんが大好きで、お母さんが居なくても、それは悲しいけど寂しくはない。
今の自分たちの生活と家庭を本当に大事にしている。
それでもそんな彼女たちへある種の愛情を持って介入しようとしてくる人たち。
理解しようとしてくれないひとたち。それらに向けての静かな批判。
そして、少数派であったり、孤独が好きであったり、なにかの枠にはまりきれない人々への、ささやかなエール。
君は君のままでいいんだよ。と、言われているような。
そういったものが目白押しで、普段世間や社会との軋轢に悩んでいる人にはとても励みになるのではないでしょうか。
どんな問題も柔らかに包む。優しくて暖かい。
外は雪、寒いけど、家の中は幸福な温かさにあふれていて、けして凍え死ぬことはない。
そんな風に思わせてくれる、榛野先生の世界は、そんな世界です。